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家田 淳一; 山根 結太*
no journal, ,
強磁性金属中の非一様磁化構造が時間変化すると創発電磁場が生じスピン起電力が得られる。最近、らせん磁性体に交流電流を流すことで得られるスピン起電力が、インダクタとして作用する理論提案がなされた。この「創発インダクタ」は、コイルによるインダクタとサイズ依存性が異なり、より小さい素子ほど大きな効果が期待される。本研究では、スピン軌道相互作用の影響を調べ、素子性能の普遍的な変調効果が見いだされたので報告する。
社本 真一; 山内 宏樹; 池内 和彦*; 梶本 亮一; 家田 淳一
no journal, ,
一軸圧力磁気励起スペクトルが、正方晶にも関わらず、4回対称性が破れていることがわかった。
山本 慧; Yu, W.*; Xu, M.*; Puebla, J.*; 前川 禎通*; Bauer, G.*
no journal, ,
本研究発表では、表面音波透過率における非相反性の逆効果である、スピン波を外部マイクロ波磁場で励起することによる表面音波の一方向への選択的励起を理論的に提案する。この効果は表面音波に伴う力学的回転とスピン波歳差運動の間の通常の磁気弾性結合および磁気回転結合を介したカイラル相互作用にのみ依存しており、特別な微細加工を必要としない。磁場を印加した領域から左右に向かって広がる音波の振幅の大きさの差は磁化の方向と磁石の膜厚に依存する。磁性絶縁体YFeOにおいては50nm程度の膜厚が非相反性を最大化し、磁化と音波の伝搬方向の間の角度がおよそ15度の時、表面音波は一方向にのみ発生することを解析的計算により示す。
酒井 宏典; 徳永 陽; 芳賀 芳範; 神戸 振作; Zhu, J.-X.*; Ronning, F.*; Ramakrishna, S. K.*; Reyes, A. P.*; 鈴木 康平*; 大島 佳樹*; et al.
no journal, ,
重い電子系超伝導体CeCoInのInサイトをZnで置換すると反強磁性秩序が茨城大の横山らによって報告された。反強磁性相が消失する組成や磁場近傍において、磁化や比熱の非フェルミ液体的振る舞いが観測されている。これら置換効果を微視的に調べるため、NMRを行なった。当日は、NMR緩和率測定にもとづいて、各相の消失する組成や磁場近傍におけるスピン揺らぎについて議論したい。
常盤 欣文; Garst, M.*; Gegenwart, P.*; Bud'ko, S. L.*; Canfield, P. C.*
no journal, ,
対称性が破れた2つの相が同時に不安定化する二重臨界点(BCP)はスピンフロップを伴うメタ磁性において現れる。重い電子系YbAgGeにおいて、そのような二重臨界点がTBCP=0.3K、メタ磁性転移磁場4.5Tにおいて見られる。この二重臨界点近傍でみられるホール係数や熱膨張の異常な振る舞いは、パラメーター空間で近傍に位置している量子二重臨界点(QBCP)に起因していると考えられる。我々は、交流磁場法を用いた磁気熱量効果の精密測定により、磁気グリューナイゼン比()が、において符号反転を伴う発散を見せることを明らかにした。これは理論予想通りの結果である。また、この量子臨界点を反映し、はを臨界点への距離としたスケーリング則を示す。我々は、この物質の幾何学的フラストレーションがの小さい値の要因であり、本物質がQBCP近傍に位置する原因と考え議論する。
徳永 陽
no journal, ,
本研究で我々はUTeの単結晶を用いてNMRによる研究を行なっている。UTeは直方晶系の結晶構造(空間群Immm)を持ち、単位胞内に4j(Te1)と4h(Te2)という2つのTeサイトを持つ。それに対応してNMRスペクトルにおいても各サイトに対応する2つのピークが観測された。ピークはどの磁場方向でも非常にシャープであり、結晶の純良性が確認できた。次にスピン-格子緩和時間の測定から、3つの結晶軸方向について磁気揺らぎの異方性と温度依存性を20K以上の温度領域について評価した。その結果、磁化容易軸であるa軸方向の揺らぎが最大となっているが、c軸方向の揺らぎも低温である程度増大していることがわかった。強いイジング型の磁気揺らぎ異方性を示す強磁性超伝導体UCoGeの場合と比較して、UTeの異方性はやや弱いイジング性を持つことがわかった。
植田 寛和; 笹川 裕矢*; Ivanov, D.*; 大野 哲*; 小倉 正平*; 福谷 克之
no journal, ,
水素分子は、Pd(210)表面のように特有なステップ構造をもつ表面では、解離吸着のほか分子状化学吸着する。本研究では、分子線, 光刺激脱離および共鳴多光子イオン化法を用いて、Pd(210)表面に化学吸着した水素分子のオルト-パラ転換を調べた。決定された転換時間は過去に報告されている物理吸着系(数百-千秒)と比べて大変短い2秒程度であった。発表では、測定結果とともに速い転換の起源について議論する予定である。
久保田 正人; 加藤 誠一*; 児子 精祐*; 雨宮 健太*
no journal, ,
メモリ動作を示すアルミ酸化膜に対して、元素選択的な電子状態を知るために、放射光吸収スペクトル測定を行った。オン状態では、酸素の吸収スペクトルのバンドギャップ内にサブピークが出現することを明らかにした。一方、アルミニウムの吸収スペクトルには、オン・オフ状態で顕著な変化は観測されなかった。酸素サイト周辺の電子がメモリ動作時に影響していることを意味している。
山下 琢磨*; 奥津 賢一*; 木野 康志*; 中島 良太*; 宮下 湖南*; 安田 和弘*; 岡田 信二*; 佐藤 元泰*; 岡 壽崇; 河村 成肇*; et al.
no journal, ,
重水素・三重水素混合薄膜に覆われた水素固体標的に負ミュオン()を入射する実験系を想定し、ミュオン触媒核融合反応(CF)の時間発展をルンゲクッタ法による逐次計算により分析した。ミュオン分子共鳴状態を含むCFサイクルを構築し、核融合によって生成する中性子強度、標的から再放出されるミュオン量を最大化する三重水素含有率を明らかにした。
名取 寛顕*; 土居内 翔伍*; 石田 勝彦*; 木野 康志*; 三宅 康博*; 宮下 湖南*; 中島 良太*; 永谷 幸則*; 西村 昇一郎*; 岡 壽崇; et al.
no journal, ,
J-PARCにおいて、トリチウムと重水素を用いたdtミュオン触媒核融合反応(CF)を利用して超低速負ミュオンビームを開発し、走査型負ミュオン顕微鏡の技術確立を目指す計画が進行中である。2020年3月に真空容器内に1mm厚の水素/重水素(混合比99.9%/0.1%)のミュオン静止層の上に数m厚の重水素層を加えた固体水素・重水素ターゲットを作成し、J-PARC D2ビームラインにおいて負ミュオンを照射するビーム試験を行った。本講演では特に中性子の測定について報告を行う。
永井 佑紀
no journal, ,
準結晶とは並進対称性と持たない固体である。近年、Al-Zn-Mg準結晶が超伝導となることが報告された。準結晶では、系に並進対称性がないために、運動量が良い量子数とならず、通常の一様系のBCS理論のような波数kと-kのCooperペアを考えることができない。その結果、準結晶中での超伝導状態は本質的に空間的に非一様な超伝導状態であることが知られている。本発表では、2次元準結晶の模型であるPenrose格子とAmmann-Beenker格子に対して、オンサイト引力相互作用を導入しBogoliubov-de Gennes (BdG)方程式を自己無撞着に解くことで超伝導磁束状態を調べた。その際、近年我々が開発したLocalized-Krylov BdG法を用いた。特に、従来よく格子生成に使われるinflation-deflation法ではなく、Dual-Grid法を使うことで、n回回転対称中心を持たない系を生成した。これにより、超伝導磁束が非一様な超伝導体のどこに存在するかを調べることができるようになった。本発表では、超伝導体応用の際に重要となる磁束のピン留め効果が準結晶中でどういう振る舞いをするかについて報告する。
奥津 賢一*; 木野 康志*; 中島 良太*; 宮下 湖南*; 安田 和弘*; 山下 琢磨*; 岡田 信二*; 佐藤 元泰*; 岡 壽崇; 河村 成肇*; et al.
no journal, ,
ミュオン触媒核融合(CF)は素粒子の一つである負ミュオンが触媒のように振舞いながら水素同位体間の核融合を起こす反応である。CF反応は、反応後のミュオンの運動エネルギー分布幅が小さい点や単色の中性子を放出する性質から、非破壊検査に威力を発揮できる運動量の揃った高品質なミュオンビーム源や高品質な第3の中性子源として注目されるようになった。本研究では、核反応後のミュオンをビームラインとは別軸に引き出すと共にミュオンを集めながら輸送する同軸輸送管を新たに開発した。また、同軸輸送管の先にチタン箔を設置し、チタンのミュオン特性X線を利用して再生ミュオンの検出を行った。
奥津 賢一*; 木野 康志*; 中島 良太*; 宮下 湖南*; 安田 和弘*; 山下 琢磨*; 岡田 信二*; 佐藤 元泰*; 岡 壽崇; 河村 成肇*; et al.
no journal, ,
ミュオン触媒核融合(CF)は素粒子の一つである負ミュオンが触媒のように振舞いながら水素同位体間の核融合を起こす反応である。CFは、反応後のミュオンの運動エネルギー分布幅が小さい点や単色の中性子を放出する性質から、非破壊検査に威力を発揮できる運動量の揃った高品質なミュオンビーム源や走査ミュオン顕微鏡などへの応用が期待される。固体水素標的から核反応後に放出される再生ミュオンの運動エネルギー分布の測定法について検討した。
宮下 湖南*; 奥津 賢一*; 木野 康志*; 中島 良太*; 安田 和弘*; 山下 琢磨*; 岡田 信二*; 佐藤 元泰*; 岡 壽崇; 河村 成肇*; et al.
no journal, ,
ミュオン触媒核融合によって発生する再生ミュオンの運動エネルギー分布を直接測定することを目指している。放射線輸送計算コードPHITSのシミュレーションに基づいて実験系を設計し、J-PARCにおいてミュオンビーム照射実験を行い、得られた実験結果と計算結果の比較を行ったので報告する。
中島 良太*; 奥津 賢一*; 木野 康志*; 宮下 湖南*; 安田 和弘*; 山下 琢磨*; 岡田 信二*; 佐藤 元泰*; 岡 壽崇; 河村 成肇*; et al.
no journal, ,
核反応後に放出される再生ミュオンは、数keVから10keV程度の運動エネルギー分布を持つ。この運動エネルギー分布測定には、重水素膜から放出された再生ミュオンをチタン薄膜まで輸送し、チタン原子から放出される特性ミュオンX線を検出する必要がある。実験系の構築のため、本研究では、イオン軌道計算ソフトウェアSIMIONを用いて、重水素膜からチタン薄膜までの輸送シミュレーションを行った。
梶本 亮一
no journal, ,
大強度陽子加速器施設J-PARCは研究用原子炉JRR-3に隣接する加速器研究施設群であり、そのうちの一つがパルス中性子・ミュオン研究施設の物質・生命科学実験施設(MLF)である。MLFに設置されている中性子散乱実験装置の多くはJRR-3と同じく物質科学研究に利用され、磁性・強相関分野の研究も研究テーマの大きな割合を占めている。パルス中性子源の実験装置は、JRR-3のような定常中性子源の装置とは異なる測定原理に基づく装置であるため、装置が得意とする測定方法もまた両種の施設間で異なる。すなわち、パルス源と定常源の装置は互いに補完する存在であり、両者の相補利用による研究成果も多い。そのため、JRR-3の再稼働によりJRR-3, MLF両施設からの成果創出が加速されると期待される。本発表では、非弾性中性子散乱による磁性・強相関研究を中心に、J-PARCでの研究例を紹介しつつ、JRR-3の再稼働がもたらす効果への期待を述べる。
神戸 振作; 酒井 宏典; 徳永 陽; 芳賀 芳範; 増田 隼人*; 東中 隆二*; 松田 達磨*; 青木 勇二*
no journal, ,
SmAuAlは常圧2.8K付近で反強磁性秩序を示めす。比熱C/Tは低温で2J/molK以上になる重い電子系である。この重い電子状態は磁場に鈍感である。特にこの化合物では重い電子状態の磁場方向依存があることが特徴的である。しかしXASによるとSmの価数は3+状態のみでmixed valance状態にはないように見えていることも興味ふかい。そこで、本研究ではAl-NMRを用いて、磁気揺らぎの温度・磁場方向依存を見積もることを試みた。今回はスピン格子緩和時間について議論する。
宮崎 一輝; 髭本 亘; 伊藤 孝; 磯部 雅朗*
no journal, ,
構造に反転対称性がない系で生じる超伝導は、パリティ混合など特異な状態が発現することが理論的に示唆されているが、特に実験的には明確でない部分が多い。我々はミュオンスピン緩和法を用い、反転対称性の破れたSrAuSiにおける超伝導状態を詳細に調べた。その結果、対称的な超伝導ギャップの存在と、時間反転対称性が保たれていることなどを明らかにした。この結果は特異な超伝導状態の発現が見られていないことを意味し、講演ではその理由を議論する。
荒木 康史; 末永 大輝*; 鈴木 渓; 安井 繁宏*
no journal, ,
物質中の電子のバンド構造においては、しばしば相対論的なディラック・ワイルノード構造が現れる。ディラック・ワイルノード構造は必ずしも単独で現れるわけではなく、他のバンドとの重なり・混成を示す電子系が多く見られる。このようなバンド混成の下で働く相対論的効果を理解するための指標として、本研究では「スピン-軌道交差帯磁率」に着目した。スピン-軌道交差帯磁率は磁場の軌道効果(ベクトルポテンシャル)に対するスピン分極の応答であり、電子系に働く相対論的効果(スピン-軌道相互作用)に依存する。本講演ではディラック粒子と非相対論的バンドを持つ粒子が混成した系を対象とし、その混成系におけるスピン-軌道交差帯磁率に関する理論研究の成果について報告する。我々はゼロ周波数の磁場下での熱平衡状態に基づいた平衡帯磁率と、有限周波数の磁場に対する動的帯磁率をそれぞれ評価し、バンド混成の下でこれらの比較を行った。その結果、特に動的帯磁率においては、バンド混成点近傍においてディラックバンドのみの交差帯磁率から大きなずれを示すことが明らかになった。これはバンド間遷移の効果に起因するものであり、ディラック粒子のスピン-運動量ロッキングの効果が、バンド混成により非相対論的バンドに移行したものと解釈できる。相対論的粒子と非相対論的粒子の混成系として、重イオン衝突実験等におけるクォーク物質に対する適用例についても述べる。
金子 耕士
no journal, ,
定常中性子源である研究炉JRR-3は震災の影響から2010年秋を最後に長期間運転を停止していたが、4年間近くに及ぶ新規制基準適合性審査を経て2018年11月に設置変更許可を取得した。現在、2021年2月の再稼働に向けて、耐震補強工事などの作業が精力的に進められている。JRR-3も停止期間中、震災からの復旧や老朽化対策、安全面の強化に加え、他施設に遅れをとらないよう高度化や利便性の向上も合わせて進められている。今回対象とする強相関電子系でみると、異なる特性を持つ三軸分光器3台、粉末・2軸回折計と小角散乱装置に加え、様々な試料環境装置を保有しているが、これらの装置でも、制御系の更新に合わせた統一化の他、将来計画委員会報告を踏まえた高度化計画を進めている。これらの概況と目指すサイエンスについて報告する。
米田 安宏; Fu, D.*
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タングステンブロンズ型構造の強誘電体、BaNbOのBaをCaで置換したCaBaNbO (CBN)では、Caの置換量が0.19 0.32の組成範囲で単相の正方晶相が出現する。CBNはセラミックスサンプルにおいても粉末X線回折パターンに超格子反射が現れる。平均構造には収まらない長周期構造が存在している。超格子反射は高温相においてもなお観測されていることから高温相においても構造解析を行った。高温相の平均構造は室温相の局所構造をよく反映していることがわかった。タングステンブロンズ特有のリエントラント相転移を反映した現象だと考えられる。